04_「Harness Your Hopes」(アルバム:Brighten the Corners: Nicene Creedence Edition) Pavement - Harness Your Hopes[1,064,576_2009/10/19]
■曲名:Harness Your Hopes
■アルバム名:Brighten the Corners: Nicene Creedence Edition
■動画リンク:「Harness Your Hopes」
今回ご紹介した中では、隠れ名曲といえる位置づけの曲です。
この曲は5曲入りEP「Spit on a Stranger」の中の1曲ですが、「Brighten the Corners: Nicene Creedence Edition」にも収録されています。
要するにデラックス・エディションみたいなものですが、そこに収録されている追加曲はあなどれません。
他に注目したいのはエコー&ザ・バニーメン(Echo & the Bunnymen)の「キリング・ムーン(The Killing Moon)」のカバー曲です。
どうしても捨てがたいので、リンクを貼っておきましょう。
Pavement – The Killing Moon
どちらにするか迷いましたが、最終的にポップな「Harness Your Hopes」をおすすめすることにしました。
クセのない曲だと思いますが、その分スティーヴン・マルクマス(Stephen Malkmus)のソングライティング能力の高さがよく分かります。
05_「Box Elder」(アルバム:Westing (By Musket And Sextant)) Box Elder, Pavement[71,420_2015/03/13]
■曲名:Box Elder
■曲名邦題:ボックス・エルダー
■アルバム名:Westing (By Musket And Sextant)
■アルバム名邦題:ウェスティング
■動画リンク:「Box Elder」
このアルバムは1989~1993年にレコーディングされた初期音源集です。
録音時期は「Slanted and Enchanted」と被っていますが、それより前の音源が含まれているため、私は事実上のファーストアルバムだと思っています。
ちなみに彼らのアルバムには駄作はなく、全てが名作の域に達していると思います。
完成度が高いとは言い難いですが。
このアルバムには「Slanted and Enchanted」よりも、更にとっちらかっている曲も収録されていますが、中でも割とキャッチーなのがこの曲です。
この曲はギターが2本入っていて、一方は比較的クリアーなトーンで、軽快にカッティング。
もう一方のギターは背後でずっとディストーションの壁をつくっていますが、突然2:06から前面に出てくるところが聞きどころです。
私はその部分が大好きで、よく最後のところだけリピートして聞いています。
06_「Cut Your Hair」(アルバム:Crooked Rain, Crooked Rain) Pavement - Cut Your Hair (Official Video)[3,336,555_2010/02/19]
■曲名:Cut Your Hair
■曲名邦題:カット・ユア・ヘア
■アルバム名:Crooked Rain, Crooked Rain
■アルバム名邦題:クルーキッド・レイン
■動画リンク:「Cut Your Hair」
このアルバムは彼らの代表作だと言われています。
他にも「Gold Soundz」など、良い曲を挙げるとキリがありません。
どの曲を選ぶか悩ましいところですが、まるでウィーザーかと錯覚するこの曲にしました。
歌詞は髪型を気にする、つまり外見ばかりを気にする音楽業界を、皮肉たっぷりに描写しています。
そもそもこのアルバム自体が、音楽業界やロックを盛大にディスっています。
ラストナンバーの「フィルモア・ジャイブ(Fillmore Jive)」では「ロックンロールの時代よ、おやすみ。彼らはもうあなたを必要としていないのだから」と歌っています。
といっても、自分たちもロックバンドなんですけどね。
このバンドは言葉のセンス、歌詞、メロディ、演奏、すべてに独特のねじれ感覚があります。
アルバム名だって「Crooked Rain, Crooked Rain」は直訳すると「曲がった雨、曲がった雨」ですが、一体何なんでしょうか。
この曲などはねじ曲がったところが一周回って、ど真ん中に来た感じの曲です。
07_「Spit on a Stranger」(アルバム:Terror Twilight) Pavement - Spit On A Stranger (Official Video)[980,954_2011/02/15]
■曲名:Spit on a Stranger
■曲名邦題:スピット・オン・ア・ストレンジャー
■アルバム名:Terror Twilight
■アルバム名邦題:テラー・トワイライト
■動画リンク:「Spit on a Stranger」
このアルバムはラストアルバムです。
このバンドは時間の経過と共に、音楽的な豊かさが表に出るようになってきました。
初期はアクの強い演奏に覆われていて、その良さがダイレクトに伝わりにくい面がありました。
ただ当時からメロディにはメジャー感がなく、少しペーソスが漂う独特な曲が多かったように思います。
言うなれば、轢かれ者の小唄的メロディ。
この曲は「Spit on a Stranger」つまり「見知らぬ人につばを吐く」です。
「Range Life」では他のバンドに突然悪意を向けましたし、悪趣味で不道徳な歌詞を挙げるとキリがありません。
この曲でも「見知らぬ人につばを吐くことができた」と歌われています。
彼らの音楽には負の感情、メランコリー気質、若干の反社会性がごちゃまぜになっているように思います。
それにかかわらずこの曲のメロディはすばらしいですけどね。
しょうもないことを極上のメロディで歌う彼らのスタイルがよく表れた名曲だと思います。