01_「Mouth for War」(アルバム:Vulgar Display of Power) Pantera - Mouth For War (Official Music Video) [4K][24,178,475_2009/10/27]
■曲名:Mouth for War
■曲名邦題:マウス・フォー・ウォー
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「Mouth for War」
まずは13秒から強烈にドライブするギターをお聞きください。
その後アンセルモが咆哮しています。
彼らがこの曲で訴えているのは「人生を変える鉄の意志を持て」ということです。
憎しみを何かを生み出す力に変えろ。成功への道を歩け。現実から逃げるな。
誰もが魂の中に強さを持っている。
そんな感じの歌詞です。
3:10ぐらいからの速い展開もスリリングですが、動画ではここから観客が暴れ出しています。
普段こういう音楽を聞きなれない方は、なぜこんな吼えるような歌い方をするのだろうと、いぶかしく思うかもしれません。
しかしこの最後の方などは、この歌い方がはまっているように感じられないでしょうか。
ボーカルを含めた音の塊をぶつけてくるのが、彼らのやり方です。
02_「Fucking Hostile」(アルバム:Vulgar Display of Power) Fucking Hostile[3,488,816_2014/11/08]
■曲名:Fucking Hostile
■曲名邦題:ファッキング・ホスタイル
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「Fucking Hostile」
しかしこのアルバムは強力すぎます。
全曲すばらしいのですが、特に最初の4曲はぐうの音も出ません。
4曲全部取り上げようと思いましたが、他にご紹介したい曲もあり断腸の思いで「ウォーク(Walk)」をカットしました。
せめてリンクだけでも貼っておきましょう。
Pantera – Walk
さてこの曲は、彼らを代表するバーストナンバーです。
彼らの功績の一つは、神話などをテーマにすることが多い古き良きメタルに対して、生の感情を重視したことです。
まあ時にリアルすぎるぐらいですが。
アルバムタイトルは「Vulgar Display of Power」ですから「下品な力の誇示」、「Fucking Hostile」は「クソ敵対的」とでもなるでしょうか。
このアルバムジャケットも悪趣味ですが、迫力がありますね。
彼らの音楽は良し悪しを超えて、がっつり伝わってくるところに魅力があります。
ちなみに上ジャケットは、Sean Crossという人が10ドルでモデルを務めたそうですが、実際には殴られていないみたいです。
ジャケットの写真はメンバーの一人かと思って調べていたところ、こんな写真を見つけました。
pantera-vulgar2
パンテラ『Vulgar Display of Power』のアルバムカヴァーを小さな女の子が再現、可愛らしい再現写真が話題に
かわいい熱演ですね。
03_「Cowboys from Hell」(アルバム:Official Live:101 Proof) Cowboys from Hell (Live)[244,160_2014/11/21]
■曲名:Cowboys from Hell
■曲名邦題:カウボーイズ・フロム・ヘル
■アルバム名:Official Live:101 Proof
■アルバム名邦題:ライヴ~狂獣
■動画リンク:「Cowboys from Hell」
このライブ・アルバムの発売は、多くのファンを喜ばせました。
彼らのライブはすごいと評判でしたから、待ち望んでいたファンも多かったと思います。
また選曲も有名曲が多く、当時はまだベスト盤が出ていませんでしたから、手っ取り早く彼らの代表曲をチェックできると重宝されました。
ちなみに私が1番好きなアルバムは「Vulgar Display of Power」ですが、2番目に好きなのはファースト・アルバムです。
しかしファーストがリリースされた1990年の録音は、音が軽くて音圧が物足りません。
私のようにファースト・アルバムの名曲を、迫力ある音で聞けることに狂喜した方もいらっしゃると思います。
あと私は彼らの音楽は好きですが、アルバム・ジャケットには引いてしまうところがあります。
インパクトに全振りしすぎているといいますか。
その点このジャケットは、とてもかっこいいですね。
つい記事を書くのを忘れてTシャツを探していたところ、こんなワッペンを見つけてしまいました。
シルバーの方がもっとかっこいいかもしれませんね。
04_「Suicide Note Pt. II」(アルバム:The Great Southern Trendkill) Suicide Note, Pt. 2[1,065,315_2017/07/22]
■曲名:Suicide Note Pt. II
■曲名邦題:スーサイド・ノート・パート2
■アルバム名:The Great Southern Trendkill
■アルバム名邦題:鎌首
■動画リンク:「Suicide Note Pt. II」
アルバムタイトルにある「Trendkill」とは「流行殺し」という意味です。
彼らの登場はメタル・シーンを一変させました。
多くのフォロワーが生まれ、音楽面はもちろんのこと、ファッション的にも短髪やスキンヘッドのメタラーが増えました。
「パンテラ以降」いう言葉がありますが、それは彼らが様々な面でメタルの新しい流れをつくったからです。
ただ彼らはこのアルバムで、そういった流行に対して怒りを表明しています。
さてこのアルバムはこれまでの中で、最もバラエティに富んでいます。
この曲はパート1とパート2とに分かれていて、今回取り上げたのはパート2の方です。
パート1はテンポを落としたスローな曲ですが、そちらはグラミー賞にノミネートされました。
また「フラッズ(Floods)」という曲では、あやしげでブルージーな魅力を打ち出しています。
彼らは後追いに対して「俺たちは信念に基づいてこの音楽をやっている。表面だけを真似て満足しているんじゃない」とでも言いたいのかもしれません。
08_「A New Level」(アルバム:Vulgar Display of Power) A New Level[8,633,195_2014/11/09]
■曲名:A New Level
■曲名邦題:ア・ニュー・レヴェル
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「A New Level」
彼らのサウンドの核は、ダイムバッグ・ダレルのギターです。
ダレルは「Floods」の後半でも明らかなように、ギターソロもすばらしいです。
惜しくも選外となりましたが、リンクだけ貼っておきましょう。
Pantera – Floods
しかしやはりこの人は、リフ・メイカーだと思います。
この曲も歌が入る前の段階で、既に名曲確定といった感がありますね。
リフはブラック・サバスのトニー・アイオミ(Tony Iommi)あたりの影響もあると思いますが、より攻撃的なアプローチが魅力的です。
と思っていたら、ウィキペディアにこんなことが書かれていました。
主に影響を受けたギタリストとしては、エドワード・ヴァン・ヘイレンやエース・フレイリー等を挙げていた。
ダイムバッグ・ダレル ウィキペディア
私としてはそれほどピンときませんが。
さてこの曲は、32秒からのリフが最強すぎないでしょうか。
この人のリフはリズム感が秀逸で、ファンキーだったり重厚なドライブ感があったり、アイデアも多彩です。
そういえばリフというのは、ギターのリズム的なアプローチだという事実を、改めて思い起こさせてくれます。
09_「Primal Concrete Sledge」(アルバム:Cowboys from Hell) Pantera - Primal Concrete Sledge[1,452,339_2007/08/11]
■曲名:Primal Concrete Sledge
■曲名邦題:プライマル・コンクリート・スレッジ
■アルバム名:Cowboys from Hell
■アルバム名邦題:カウボーイズ・フロム・ヘル
■動画リンク:「Primal Concrete Sledge」
あまり触れられる機会はありませんが、個人的に大好きな曲です。
ここでもやはりダレルのリフが最強です。
さてこの曲はファースト・アルバムからの曲ですが、実はこの前に4枚ものアルバムをリリースしています。
ただその後とはかなり音楽性が違って、彼らの歴史には存在しないことにされています。
彼らのオフィシャルサイトにも掲載されていませんし、Amazonでもスタジオ・アルバムは売っていません。
そこでこの記事でも、このアルバムをファーストと呼ぶことにしました。
このアルバムを5枚目のアルバムと呼ぶのは、違和感がありますしね。
ただ当時の曲は「Before We Were Cowboy」というライブ・アルバムで聞くことができます。
そのライブ・アルバムと、その頃の代表曲「Power Metal」の動画のリンクを貼っておきましょう。
Youtube音源はスタジオ・バージョンです。
Pantera – Power Metal
ジューダスの影響が顕著で、とてもほほえましいですね。
ジャケットもLAメタルみたいですし。
古き良きメタルが好きな人は、この頃の方がいいじゃないかと思う人がいてもおかしくありません。
10_「Yesterday Don’t Mean Shit」(アルバム:Reinventing the Steel) Yesterday Don't Mean Shit[3,574,198_2017/07/27]
■曲名:Yesterday Don’t Mean Shit
■曲名邦題:イエスタディ・ドント・ミーン・シット
■アルバム名:Reinventing the Steel
■アルバム名邦題:激鉄
■動画リンク:「Yesterday Don’t Mean Shit」
彼らはこのアルバム限りで解散しました。
ジャケットは完全燃焼してやるぜという意味かもしれませんが、チェック柄のトランクスが笑えます。
ただ音楽的には有終の美を飾ったと言っていい出来ではないでしょうか。
次第にポップになっていくバンドが多い中で、彼らは最後まで硬派を貫いてくれました。
このアルバムもいささか決定打に欠けるきらいはありますが、個々の楽曲は粒ぞろいです。
「ヘルバウンド(Hellbound)」あたりも捨てがたいですが、私はこの曲をおすすめいたします。
解散後、彼らはぞれぞれの道に進みました。
アンセルモは自分のサイド・プロジェクトに、ダレルとヴィニー・ポールはダメージプラン(Damageplan)という新バンドを結成しました。
しかしある日、悲劇が起こります。
ライブで演奏していたダレルが、観客によって射殺されてしまいました。
どうやらダレルがパンテラ解散の原因だったと恨んでいた男による犯行のようです。
むしろ事実は逆で、ダレルはバンドの存続を模索していたはずなんですけどね。
その後兄のヴィニー・ポールも2018年に亡くなり、パンテラの再結成は完全に不可能になりました。
後は未発表音源が発表されるのを楽しみに待つしかなさそうです。