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The Posies  目次  前Gorillaz  次Nine Inch Nails 

01_「Solar Sister」(アルバム:Frosting on the Beater)
Posies - Solar Sister[73,340_2008/10/18]
■曲名:Solar Sister ■曲名邦題:ソーラー・シスター ■アルバム名:Frosting on the Beater ■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター ■動画リンク:「Solar Sister」
彼らで一番の有名曲です。 この曲を聞かずして、このバンドを語ることはできません。 彼らの音楽を気に入るかどうか、リトマス紙になりうる曲だと思います。 とてもポップな曲ですが、その甘味を引き出しているのは、適度に激しいギター・サウンドかもしれません。 甘さを引き立てるために、あえて苦みを加えるこの方法論は、パワー・ポップという音楽の常とう手段です。 この曲はその最良の例といえます。 とにかくギターソロがすばらしいのですが、ためしに2:11からを聞いてみてください。 ジョン・オウアの歪んだギターが、出来すぎ感のあるこの曲を、更にもう一段階引き上げています。

02_「Daily Mutilation」(アルバム:Amazing Disgrace)
The Posies - Daily Mutilation[12,229_2013/05/29]
■曲名:Daily Mutilation ■アルバム名:Amazing Disgrace ■アルバム名邦題:アメイジング・ディスグレイス ■動画リンク:「Daily Mutilation」
この曲を選んだことについては、ファンの間でも意見が割れるかもしれません。 確かに彼らの魅力はメロディにありますから、激しすぎる楽曲では、その繊細な味わいが失われがちかもしれません。 そのご意見には一理あるように思います。 しかしそれでもこの曲を推したいのは、ドラムの魅力ゆえです。 前作でブレイクした彼らですが、前作からメンバー構成に変化がありました。 ベースとドラムの2人が脱退して、リズム陣が刷新されました。 ただこの変化は吉と出たかもしれません。 特に新しく加入したブライアン・ヤング(Brian Young)の貢献が大きいように思います。 ブライアン・ヤングといえば、後にファウンテインズ・オブ・ウェイン(Fountains of Wayne)のドラムを務めたことで有名です。 ブライアンの加入は、ポウジーズにダイナミズムや躍動感を与えました。 また彼のドラムは、ジョンのギターと相性が良いように思われますし。 ブライアンは「Hate Song」や「Broken Record」でも、すばらしい仕事をしています。

03_「I May Hate You Sometimes」(アルバム:Failure)
ijr7e0THYWU[107,604_2011/05/08]
■曲名:I May Hate You Sometimes ■アルバム名:Failure ■アルバム名邦題:フェイラー ■動画リンク:「I May Hate You Sometimes」
彼らはバンド形態をとっていますが、中心メンバーは以下の2人です。 ・ジョン・オウア(Jon Auer) ・ケン・ストリングフェロウ(Ken Stringfellow) ベースとドラムのメンバーは、アルバムによって異なります。 このファースト・アルバムでは正規メンバーはこの2人だけで、他のパートはサポート・メンバー扱いです。 2人は高校で出会い、一緒に曲づくりを始めました。 同級生と思いきや、ジョンの方が1学年下です。 その後彼らは他のパートを募集して、この宅録のアルバムをつくり上げました。 宅録なのでプロデューサーは不在で、実質2人の共同プロデュース作品となりました。 レーベルはポップラマ・レコード(PopLlama Records)です。 アメリカのインディーズ・レーベルに詳しい方には、ファストバックス(Fastbacks)やザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(The Presidents of the United States of America)が所属していたレーベルとして知られています。 しかし最初からこの楽曲水準だったのですね。 録音はしょぼいですが、いや録音がしょぼいからこそ、曲の魅力が際立っています。

04_「Flavor of the Month」(アルバム:Frosting on the Beater)
The Posies - Flavor Of The Month[49,126_2009/09/14]
■曲名:Flavor of the Month ■曲名邦題:フレイヴァー・オブ・ザ・マンス ■アルバム名:Frosting on the Beater ■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター ■動画リンク:「Flavor of the Month」
彼らの最高傑作として名高いアルバムです。 私もどれか1枚おすすめするとしたら、このアルバムを推します。 特に最初の3曲は最強すぎますから。 このアルバムでは「Solar Sister」がクラブ・ヒットしたと言われていますが、私がクラブ・イベントで聞いた回数は、この曲も同じぐらいかもしれません。 このアルバムは、前作からサウンドが変化しています。 特にプロデューサーがドン・フレミング(Don Fleming)になったことが大きいように思います。 ドン・フレミングは、ソニック・ユース(Sonic Youth)やダイナソーJr. (Dinosaur Jr.)などのプロデュースを手掛けたことで有名な人です。 彼はこのバンドの激しいギターに焦点を当てました。 しかし一方で従来からの強みであるメロディを殺さず、激しい要素をいい塩梅で加味しています。

05_「Golden Blunders」(アルバム:Dear 23)
The Posies - Golden Blunders[224,464_2009/06/17]
■曲名:Golden Blunders ■曲名邦題:ゴールデン・ブランダーズ ■アルバム名:Dear 23 ■アルバム名邦題:ディア 23 ■動画リンク:「Golden Blunders」
このアルバムには熱心なファンが多く「Frosting on the Beater」と最高傑作という評価を二分している感じがします。 支持されている理由ははっきりしています。 とにかくメロディの良い曲がそろっていること。 後年に比べると押しの強さには欠けますが、胸をキュンにさせる曲は、このアルバムが一番多いかもしれません。 ちなみにこの曲は、リンゴ・スター(Ringo Starr)がカバーしています。 Ringo Starr – Golden Blunders 彼らは前作「Failure」が注目を浴び、DGC Recordsに移籍することができました。 DGC Recordsは、メジャーレーベルであるゲフィン・レコード(Geffen Records)傘下です。 このアルバムでは、初めてプロデューサーが付きました。 しかもジョン・レッキー(John Leckie)です。 ジョン・レッキーといえば、ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)をプロデュースしたことで知られる名プロデューサーです。 決して激しい音づくりに向いている人ではありません。 その代わりに、繊細さやポップなところを活かすにはうってつけの人です。 そのおかげか、この作品はとても繊細でコク深い仕上がりになっています。

06_「Dream All Day」(アルバム:Frosting on the Beater)
The Posies - Dream All Day[705,524_2009/12/20]
■曲名:Dream All Day ■曲名邦題:ドリーム・オール・デイ ■アルバム名:Frosting on the Beater ■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター ■動画リンク:「Dream All Day」
このバンドの最大のヒット曲です。 ベスト盤「Dream All Day: The Best of The Posies」のアルバム・タイトルにも使われています。 少しマージー・ビート的な哀愁が感じられますね。 ホリーズ(The Hollies)あたりのテイストに少し近いかもしれません。 彼ら2人は共作名義なので、クレジットを見ても、どちらがどの曲を書いているか分かりません。 ただ2人ともソロ・アルバムの出来が良く、どちらもすぐれたソングライターであることは間違いありません。 ケンのソロから、私が特に大好きな曲をご紹介しましょう。 Ken Stringfellow – Down Like Me 今回のランキングに入れたら、1位を争うぐらいの傑作です。 すぐれたソングライターが2人いることもあって、彼らのアルバムには駄曲がありません。

07_「Accidental Architecture」(アルバム:Blood/Candy)
The Posies, "Accidental Architecture"[2,990_2014/05/07]
■曲名:Accidental Architecture ■アルバム名:Blood/Candy ■アルバム名邦題:ブラッド/キャンディ ■動画リンク:「Accidental Architecture」
彼らはビートルズの影響を受けていると言われています。 確かに聞いていて、ビートルズを思い出す瞬間が多々あります。 たとえばこの曲などは、ルーツをたどれば「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(Strawberry Fields Forever)」あたりに行き着く音像かもしれません。 さてこのアルバムは、彼らが解散状態となった後、活動を再開してから二作目のアルバムです。 活動再開後のアルバムということもあり、躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。 しかしご安心ください。 作品の質は維持されています。 ちなみに活動再開後1作目の「エヴリィ・カインド・オブ・ライト(Every Kind of Light)」には、こんな曲が入っています。 The Posies – Love Comes こちらもビートルズっぽい曲かもしれません。 現時点の最新作「ソリッド・ステイツ(Solid States)」も、パワーポップ系の有名サイトで、年間1位の評価を獲得しています。 彼らの場合は、活動再開後のアルバムも要チェックです。

08_「Please Return It」(アルバム:Amazing Disgrace)
The Posies Please return it.[20,915_2016/06/23]
■曲名:Please Return It ■アルバム名:Amazing Disgrace ■アルバム名邦題:アメイジング・ディスグレイス ■動画リンク:「Please Return It」
彼らはビッグ・スター(Big Star)から影響を受けています。 ちなみに彼らには、ビッグ・スターをカバーしている曲があります。 The Posies – I Am The Cosmos ベスト盤でしか聞けないオリジナル・アルバム未収録曲ですので、ご存知ない方も多いかもしれません。 実際に彼ら2人は、ビッグ・スターが再結成した時、メンバーとして参加していますし。 再結成後のビッグ・スターを聞くと、この曲に似たテイストを感じます。 2人はビッグ・スター在籍時に曲を提供していたので当然ですが、どちらも共通して良質なペーソスを持ったメロディがあります。 さてこのアルバムは出世作「Frosting on the Beater」の次作ですが、相性が良いと思われたドン・フレミングがプロデュースしていません。 そのせいかセールス面で低迷し、彼らはDGCレコードの契約を失うことになりました。

09_「The Longest Line」(アルバム:Failure)
The Longest Line[2,925_2020/09/02]
■曲名:The Longest Line ■アルバム名:Failure ■アルバム名邦題:フェイラー ■動画リンク:「The Longest Line」
このファースト・アルバムには、捨てがたい魅力があります。 偉大な作品のデモ音源を聞いているような感じといいますか(笑) 私は誰かとこのバンドについて話すと、つい「ファースト・アルバムも意外といいですよね」と言ってしまいます。 ファースト・アルバムには、録音の質以外にも、それ以降とは違う魅力があります。 ジャケットもそうですが、この曲などはネオアコみたいではないでしょうか。 クリエイション・レーベルあたりに近い音の手触りもあって、イギリスのバンドみたいだと感じます。 デビュー・アルバムに「Failure」と名付ける皮肉っぽいセンスも、イギリス人みたいですし。 当時の彼らは、まだ二十歳になっていませんでした。 当然まだ成熟しているはずもありませんが、当初から作曲の才能は際立っていたようです。

10_「Fall Apart With Me」(アルバム:Success)
Fall Apart with Me[2,653_2016/03/24]
■曲名:Fall Apart With Me ■アルバム名:Success ■アルバム名邦題:サクセス ■動画リンク:「Fall Apart With Me」
彼らはメジャー・レーベルとの契約を維持できず、元在籍していたPopLlama Recordsに戻りました。 ちなみに彼らのファースト・アルバムと、活動停止前のラスト・アルバムのタイトルは、以下の通りです。 ・デビューアルバム:Failure →失敗 ・第一期のラストアルバム:Success →成功 つまり失敗で始まり、成功で終わっています。 バンドを完結させた感じがしないでしょうか。 表向きには活動停止と発表していましたが、実質的に解散に近い状態だったようです。 理由は明らかにされていませんが、収入を得る手段やアイデンティティの置き場所としてのポウジーズは終わったというような発言をしていました。 さてこの曲は、第一期最後のアルバム「Success」から選曲しました。 「私はあなたとバラバラになる」と歌われていて、まるで解散を示唆しているかのようです。 更にこの曲では、こう歌われています。 ああ、夏を待っていたけれど しかしそれが来ることはなかった 第一期の解散後、彼らはそれぞれソロ活動を始めています。 しかし彼らはポウジーズを再開することにしました。 また夏を待とうと思ったのかもしれません。

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