01_「Who Knows Where the Time Goes?」(アルバム:Unhalfbricking) Who Knows Where The Time Goes?[2,060,119_2018/07/25]
■曲名:Who Knows Where the Time Goes?
■曲名邦題:時の流れを誰が知る
■アルバム名:Unhalfbricking
■アルバム名邦題:アンハーフブリッキング
■動画リンク:「Who Knows Where the Time Goes?」
通常このブログでは分かりやすい曲を1位にしています。
そもそも理解が難しい曲を1位に置く意味があるのかと思いますし。
しかしこの曲は分かりにくいですし、即効性もありません。
少なくとも初めて聞いた若い頃の私には、単なる地味な曲にすぎませんでした。
しかしこの寂寥感は、尋常ではありません。
この曲歌っているのは、サンディ・デニー(Sandy Denny)。
彼女のボーカルは、独特の霊気と湿り気を帯びています。
素直に歌っているように思われますが、ちょっとしたニューアンスの機微と陰影がすごすぎます。
よく分からないと思ったら、次の曲をお聞きください。
04_「No Man’s Land」(アルバム:What We Did on Our Holidays) No Man's Land[7,433_2018/07/26]
■曲名:No Man’s Land
■曲名邦題:ノー・マンズ・ランド
■アルバム名:What We Did on Our Holidays
■アルバム名邦題:ホワット・ウィー・ディド・オン・アワ・ホリデイズ
■動画リンク:「No Man’s Land」
1969年にリリースされたセカンド・アルバムの曲です。
デビュー時の彼らは、まだ音楽性が固まっていませんでした。
ファースト・アルバムでは、エミット・ローズ(Emitt Rhodes)、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の曲をカバーしています。
当初の彼らは、アメリカのアーティストから影響を受けていました。
しかしこのセカンドから、イギリスの伝承歌を取り上げ始めました。
以下の曲は惜しくも選外になりましたが、このバンド屈指の人気曲にして有名曲です。
Fairport Convention – Meet on the Ledge
「Meet on the Ledge」は伝統歌ではありませんが、少しトラディショナル寄りかもしれません。
一方ランクインした「No Man’s Land」は、アメリカ音楽色が強い曲です。
ウッドストックとかヒッピーとか、そのあたりに近い印象を受けます。
05_「Wizard of the Worldly Game」(アルバム:Angel Delight) Wizard Of The Worldly Game[2,902_2018/07/26]
■曲名:Wizard of the Worldly Game
■曲名邦題:ウィザード・オブ・ザ・ワールドリー・ゲーム
■アルバム名:Angel Delight
■アルバム名邦題:エンジェル・ディライト
■動画リンク:「Wizard of the Worldly Game」
このアルバムの前に、リチャード・トンプソンがバンドを脱退しました。
しかしこのバンドは度々重要メンバーが脱退しています。
しかしその割には作品の水準は大きく落ち込んでいません。
デイヴ・スウォーブリック(Dave Swarbrick)を中心に、残ったメンバーが奮闘しています。
アルバム全体の出来としては前作「Full House」に及ばないにしても、この曲など良い曲が散見されます。
この曲は1971年に発表されましたが、1973年の「ロージー(Rosie)」からも1曲ご紹介しておきましょう。
Fairport Convention – Peggy’s Pub
私は数枚を除いて、彼らのほとんどのアルバムを持っています。
1979年にはデイヴ・スウォーブリックも脱退しましたが、その後も佳作を連発しています。
07_「Sir Patrick Spens」(アルバム:Full House) Sir Patrick Spens[24,386_2018/07/24]
■曲名:Sir Patrick Spens
■曲名邦題:サー・パトリック・スペンス
■アルバム名:Full House
■アルバム名邦題:フル・ハウス
■動画リンク:「Sir Patrick Spens」
この曲は彼らの代表曲ですが、原曲は伝承歌です。
さてこのバンドを語る時、プロデューサーのジョー・ボイド(Joe Boyd)について触れないわけにはいきません。
ジョー・ボイドは、フォーク・ロック・シーンのキーマンです。
ちなみにフォークといっても、アメリカのフォークとはかなり異なります。
いわゆるブリティッシュ・フォークといわれるもの。
ちなみに以下の金字塔といえる名盤は、すべてジョー・ボイドがプロデュースしています。
「Five Leaves Left」Nick Drake
「Just Another Diamond Day」Vashti Bunyan
「The 5000 Spirits or the Layers of the Onion」The Incredible String Band
ジョー・ボイドはこのアルバムまでプロデュースしていますが、その時期はこのバンドの全盛期と一致します。
メンバーの変動が激しかったこのバンドにおいて、彼の存在は要石みたいな存在だったかもしれません。
08_「Million Dollar Bash」(アルバム:Unhalfbricking) [29,028_2018/07/25]
■曲名:Million Dollar Bash
■曲名邦題:ミリオン・ダラー・バッシュ
■アルバム名:Unhalfbricking
■アルバム名邦題:アンハーフブリッキング
■動画リンク:「Million Dollar Bash」
このバンドの名前は、多くのロック・ファンに知られています。
「レッド・ツェッペリン IV(Led Zeppelin IV)」にサンディ・デニーが参加したことで、このバンドも知られるようになりました。
ロック名盤の雑誌記事やディスクガイドでは、よく「Liege & Lief」が掲載されています。
また以下の曲はシングル・チャートで21位を記録し、このアルバムも12位まで上がりました。
Fairport Convention – Si Tu Dois Partir
次作「Liege & Lief」も15位を記録しており、ヒットチャートでもある程度評価されています。
ただバンド名は知っていても、聞いたことがない方は少なくないかもしれません。
私はそのギャップを埋めたいと思い、この記事を書きました。
このアルバム・ジャケットも英国的ですばらしいですね。
09_「Crazy Man Michael」(アルバム:Liege & Lief) Crazy Man Michael - Fairport Convention [Audio][252,113_2008/07/25]
■曲名:Crazy Man Michael
■曲名邦題:クレイジー・マン・マイケル
■アルバム名:Liege & Lief
■アルバム名邦題:リージ・アンド・リーフ
■動画リンク:「Crazy Man Michael」
このアルバムは、ブリティッシュ・フォークとロックを融合した画期的な作品でした。
彼らはこのアルバムでオリジナリティを確立しました
私が思う彼らの独自性とは、伝統音楽を熱心に研究し、その魅力を損なうことなくロック的な解釈を施したこと。
そして伝統歌とその影響下にある新感覚のオリジナル曲を、アルバムに違和感なく共存させたことでした。
前作「Unhalfbricking」で彼らは、片足を入れていた英国の伝統音楽に軸足を移しました。
このアルバムからアメリカのバンドのカバー曲がなくなったのは、変化しようという決意の表れだったかもしれません。
その代わりに彼らは、英国フォークの深い森に足を踏み入れています。
両要素を折衷をしようとした彼らの試みは、当時新しい音楽と評価されました。
思えばアメリカのウッドストック・サウンドも、ルーツ音楽と新しさが共存していました。